专利摘要:
石膏およびセルロースファイバーをリアクタにおいて共か焼する前に、セルロースファイバーの第1の部分を石膏に添加し、リアクタから出した後、セルロースファイバーの第2の部分をスラリーに添加して、第2のスラリーを形成し、スラリーを堆積して、マットを形成し、マットを脱水し、マットを再水和し、マットを仕上げて、最終石膏セルロースファイバーボードパネルを形成することを含む石膏セルロースファイバーボードを製造するエネルギー効率の良い方法。添加したセルロースファイバーの第2の部分が、最終ボードに用いる合計セルロースファイバーの50%以上であるとき、同じ成分で作製した石膏セルロースであるが、リアクタの前に、全ファイバーを石膏に添加するものに比べ、用いる蒸気エネルギーの約40%〜50%までの削減が達成できる。
公开号:JP2011507794A
申请号:JP2010539808
申请日:2008-12-18
公开日:2011-03-10
发明作者:ダグラス・ブラックバーン;マーシャ・エス・スキナー;ロバート・ジー・レンジ
申请人:ユナイテッド・ステイツ・ジプサム・カンパニー;
IPC主号:C04B11-032
专利说明:

[0001] 関連出願の相互参照
本出願は、本明細書にその全体が参考文献として援用される2007年12月20日出願の米国特許出願公開第11/962,031号明細書の優先権を主張する。]
[0002] 本発明は、概して、ウォールボード天井用途、フレーミングおよびシージング要素、サイディング要素および非常に低密度で、より可撓性のある、その他の建築構造タイプ用の建築用途に好適な改善された石膏セルロースファイバー複合体パネルに関し、追加のセルロースファイバースラリーをか焼石膏およびセルロースファイバースラリーに添加する前に、石膏をか焼するためにリアクタ内で石膏と反応させるべく石膏に添加される、セルロースファイバーの総量を大幅に減らすものであり、スラリーをマットへと形成し、これを脱水、石膏へと再水和してから乾燥し、ファイバー強化石膏ファイバーボードパネル(以降、「石膏ファイバーボードパネル」または「GFP」と称す)を形成するものである。]
背景技術

[0003] 石膏ファイバーボードパネルは、住居および/または商業建築の内壁および外壁を形成するのに建築業界において用いられてきた。しかしながら、かかる従来のパネルの欠点は、かかるパネルが、合板や配向性ストランドボード(OSB)等の木質系パネルに匹敵するほど十分な曲げ靭性を有していないということである。]
[0004] 建築構造は、その寿命にわたって、様々な衝撃荷重(例えば、雹害、または竜巻やハリケーンにより飛ばされた物体による建築物の損傷)を受ける。全ての建築シージングパネルが、かかる衝撃荷重に耐え得るのに十分に丈夫なものではない。耐衝撃荷重性を示すのが必要な場合には、シージングパネルを測定して、パネルが不具合なしに耐え得る衝撃を判断する。]
[0005] 本明細書において特定される曲げ靭性は、3点曲げで荷重のかかった試料についての曲げ荷重対たわみ曲線での総面積に等しいものとして測定される。]
[0006] 曲げ靭性の一例は、ASTMD1037試験法に従って、3点曲げで荷重のかかった曲げ試料についての荷重対たわみ曲線での総面積として測定される。]
[0007] 大きな曲げ靭性の得られる木質系パネルは、通常、併せて接着されたベニヤ板や大きなチップからなる合板や配向性ストランドボード(OSB)である。これらのパネルは、曲げ靭性を与えることができるが、それぞれが可燃性であり、多くの場合がマリン合板以外であり、これらのパネルは水に晒されると耐久性がない。水硬性セメントでできたパネルは耐水性があるが、木製パネルよりはるかに重い。合板やOSBパネルの欠点を排除しつつ、本発明の曲げ靭性を与えることのできる、同程度のコストで現在入手可能なパネルはないものと考えられている。]
[0008] さらに、合板やOSBと同様の建築環境で働くよう構成された石膏ファイバーパネルが必要ということは、パネルが釘打ち可能で、従来の鋸やその他の従来の大工工具を用いて切断や加工ができることを意味している。]
[0009] パネルは、木材を切断するのに用いる丸鋸で切断できるものでもなければならない。パネルはまた、釘やねじでフレーミングに留められるものでなければならない。]
[0010] パネルは、水に晒されたときに、寸法安定性がなければならない。すなわち、できる限り膨張しない、ASTMC1278により測定したときに、好ましくは0.1%未満の膨張でなければならない。ある石膏ファイバーボードパネルについての標準的な仕様では、2時間浸漬で5%の吸湿とされている。ただし、他の石膏ファイバーボードパネル製品は、2時間の浸漬試験で10%もの吸湿の可能性がある。パネルは、生分解性であったり、虫や腐食による攻撃を受けたりしてはならない。しかしながら、パネルは、外部仕上げシステムのボンド可能な基材を提供するものでなければならない。]
[0011] 密度が約714kg/m3(50lb/ft3)〜約1000kg/m3(70lb/ft3)の厚さ約0.5インチ(12.7mm)の石膏ファイバーボードパネル(GFP)の曲げ強度は、ASTMD1037試験により測定したときに、少なくとも5.2MPa(750psi)、好ましくは6.9MPa(1000psi)を超える。]
[0012] 現在入手可能な石膏ファイバー系および木質系製品および複合体は、上記の性能特性のいくつかは満たすが、全ては満たさないことが明らかである。特に、改善された曲げ靭性を有する軽量で、不燃性および水耐久性を与えることにより、現在使用されている石膏ファイバーボードおよび木質系の能力を超える、改善された石膏ファイバー系パネルが必要とされている。]
[0013] ガラスファイバーが、石膏ボードおよび石膏ファイバーボードを強化するのに用いられているが、金属ファイバー、木質またはペーパーファイバー、カーボンファイバーまたはポリマーファイバー等のその他のファイバーが、石膏ボードを強化するのに示唆されている。]
[0014] その全体が参考文献として本明細書に援用されるM.Baigによる米国特許第5,320,677号明細書には、複合体石膏/木質ファイバー(GWF)材料製品、ならびに石膏粒子の希釈スラリーおよびセルロースファイバーを加圧下で加熱して、木質ファイバーを存在させて石膏をか焼することにより、生石膏を硫酸カルシウム半水和物に変換することにより、製品を製造する方法が開示されている。溶解した硫酸カルシウムは、ファイバー中の空隙を濡らし、得られる半水和物が、最終的に、セルロースファイバー中の空隙の原位置に結晶を形成する。しかしながら、GWFをさらに改善して、密度を低下させてパネルの可撓性を改善し、GWF製造プロセスにおいて石膏まで容易に再水和できない未反応の半水和物の量を減らし、パネルの硬化時間を短縮し、かつ、石膏をか焼して、硫酸カルシウム半水和物をか焼するのに必要な蒸気エネルギーの量を大幅に減らすのが望ましい。]
[0015] 本明細書に参考文献として援用されるLynnらによる米国特許第6,508,895号明細書には、耐衝撃性を改善するためにボードの裏側に埋め込まれた可撓性メッシュ、好ましくは、ファイバーガラスメッシュを有する多層石膏/ファイバーボードを形成する方法を用いることにより、石膏/ファイバーボードに比べて改善された耐衝撃性を有するペーパーレス石膏/ファイバーボードが開示されている。この方法では、乾燥前、パネルをプレスする前に、メッシュをパネルの形成領域に供給する。任意で、メッシュの第2の層を、石膏/ファイバーボードの上層に埋め込むことができる。]
[0016] 本明細書に参考文献として援用されるSchaeferらによる米国特許第4,199,366A号明細書には、材料の総体積を基準として少なくとも2体積%の量で、ポリビニルアルコール短繊維を有するファイバー強化セメント材料が開示されている。これらのファイバーの破断時伸びは約4〜8%であり、モジュラスは130g/dtexを超える。材料の作製方法も開示されている。]
[0017] 本明細書に参考文献として援用されるGordonらによる米国特許第4,306,911A号明細書には、ファイバー強化水中硬化材料の製造方法が開示されている。]
[0018] 本明細書に参考文献として援用されるMeierらによる米国特許第4,339,273A号明細書には、ファイバー強化水中硬化組成物の製造方法、生成された組成物およびその使用が開示されている。]
[0019] 本明細書に参考文献として援用されるVondranによる米国特許第5,298,071A号明細書には、水和性セメント粉末中に均一分散中間粉砕ファイバーを含むファイバー水和性セメント組成物が開示されている。]
[0020] その全体が本明細書に参考文献として援用されるEnglertによる米国特許第5817262A号明細書には、半水和物が石膏へと再水和する点より高い温度で、水性シロキサンエマルジョンを、か焼石膏および木質ファイバースラリーへ添加することにより、耐湿性の改善された石膏木質ファイバーボードを製造する方法が開示されている。]
[0021] その全体が本明細書に参考文献として援用されるSongによる米国特許第6,010,596号明細書には、硫酸カルシウム半水和物が石膏へと再水和する前に、ワックスエマルジョンを、か焼石膏および木質ファイバースラリーに添加することにより、耐湿性石膏木質ファイバーボードを製造する方法が開示されている。]
[0022] その全体が本明細書に参考文献として援用されるLynnによる米国特許第6,221,521B1号明細書には、不燃性で、コア層に3重量%以下の有機材料および表面層にか焼石膏に添加された10〜30%のペーパー強化ファイバーを用いる3層ペーパーレスファイバー強化石膏/ファイバーボード製品が開示されている。]
[0023] その全体が本明細書に参考文献として援用されるBaigによる米国特許第6,268,042B1号明細書には、ミネラルウール、軽量凝集物、20〜35%のセルロースファイバー、バインダーおよび23%までの石膏固体からできた、家具に用いる高強度低密度ファイバーボードパネルが開示されている。]
[0024] その全体が本明細書に参考文献として援用されるCarboらによる米国特許第6,406,779B1号明細書には、膜形成ポリマー材料の水性エマルジョンを含む熱硬化性プライマーの添加により、表面特性が改善されたか焼石膏および添加セルロースファイバーでできたペーパーレス石膏/ファイバーボードが開示されている。]
[0025] その全体が本明細書に参考文献として援用されるLynnらによる米国特許第6,508,895B2号明細書には、ファイバーガラスメッシュが裏側に埋め込まれた耐衝撃性の改善されたペーパーレス多層石膏ファイバーボードが開示されている。]
[0026] その全体が本明細書に参考文献として援用されるEnglertによる米国特許第6,531,210B2号明細書および米国特許第7,056,460号明細書には、上記の米国特許第5,558710A号明細書に記載された方法において、スラリーをヘッドボックスに供給する直前に、か焼石膏および木質ファイバーの水性スラリーに安定したメチレンジフェニルジイソシアネートエマルジョンを添加することにより、改善された石膏/木質ファイバーボードを作製する方法が開示されている。]
[0027] その全体が本明細書に参考文献として援用されるMillerらによる米国特許出願公開第2005/0161853号明細書には、か焼を完了するのに必要な時間および温度を減らすため、またはか焼プロセス中に形成される針状結晶のアスペクト比を増やすために加熱する前に、結晶改質剤の添加により石膏/セルロースファイバー製品の製造において石膏およびセルロースファイバーをか焼する改善された方法が開示されている。]
[0028] その全体が本明細書に参考文献として援用されるYuらによる米国特許出願公開第2006/0243171号明細書には、か焼石膏の再水和を増大するための有機ホスホン酸化合物、リン酸塩含有化合物およびこれらの混合物を含む湿潤石膏促進剤が開示されている。]
[0029] その全体が本明細書に参考文献として援用されるMillerらによる米国特許出願公開第2007/0056478号明細書には、か焼工程後およびスラリーを脱水してろ過ケーキを形成する前、シリコーン化合物および酸化マグネシウムを、硫酸カルシウム半水和物およびセルロースファイバーのか焼スラリーに添加することを含む耐水性石膏ファイバーボードを製造する改善された方法が開示されている。]
課題を解決するための手段

[0030] 本発明は、改善された石膏ファイバーボードおよび石膏ファイバーボードの現在の製造方法よりもはるかに硬化時間の早いエネルギー効率のよい方法に関し、水の添加なしには石膏へと容易に再水和し得ない未水和の半水和物(以降「UHH」と称す)を実質的に含まない改善されたセルロースファイバー強化石膏ファイバーボードが製造される。UHHは、水添加により乾燥後、石膏へと再水和できるものであるが、UHHの量は特に重要である。というのは、この再水和UHHでできた得られるGFPは、マットの乾燥前に石膏へと再水和しておいた半水和物でできたパネルより強度が小さくなるからである。改善された石膏ファイバーボードは、同量のセルロースファイバーでできているが、石膏をか焼する前に、セルロースファイバーの全てが石膏に添加される石膏ファイバーボードよりも低密度で、より可撓性があり、硬化時間が大幅に短い。]
[0031] この方法では、未か焼石膏およびホスト粒子、例えば、ペーパーファイバーの第1の部分を、希釈スラリーを形成するのに十分な液体と共に一緒に混合し、蒸気により加圧下で加熱して、石膏をか焼し、それをアルファ硫酸カルシウム半水和物へ変換する。本発明のマイクロメカニクスは完全に理解されないが、希釈スラリー溶媒がホスト粒子を濡らして、溶解した硫酸カルシウムをその空隙に運ぶものと考えられる。半水和物は、最終的に核形成して、ホスト粒子の空隙原位置およびその周囲に、結晶、主に針状結晶を形成する。必要であれば、結晶改質剤をスラリーに添加することができる。得られる複合体は、硫酸カルシウム結晶に物理的に結合したホスト粒子である。この結合によって、硫酸カルシウムと強ホスト粒子間に良好なボンドが形成されるばかりでなく、半水和物を後に二水和物(石膏)まで再水和するときに、ホスト粒子から離れる硫酸カルシウムの移動も防ぐ。]
[0032] 複数のかかる複合体粒子は、最終硬化前に、圧縮、ボードへとプレス、鋳造、造形、成形またはその他に所望の形状へと形成することのできる材料塊を形成する。最終硬化後、複合体材料は、切断する、刻む、鋸で切る、ドリルで穴をあける、およびその他に機械加工することができる。さらに、石膏の所望の耐火性および寸法安定性に加え、ホスト粒子の物質により与えられる特定の向上(特に、強度および靭性)が示される。]
[0033] 本発明の好ましい実施形態によれば、ホスト粒子はペーパーファイバーである。図2を参照すると、ペーパーはまずパルプ化されてから、水と混合されて、約3重量%〜4.5重量%(総固体を基準として)含有するスラリーを形成する。粉砕した未か焼石膏も、ミキサーで十分な水と混合されて、約65重量%〜85重量%の水を有するスラリーを形成する。粉砕石膏およびパルプ化ペーパーのスラリーを、他のミキサー10で一緒にブレンドして、圧力容器(リアクタシステム)22に送る前に、均一なスラリーを形成する。スラリーを圧力容器(リアクタシステム)において、石膏を硫酸カルシウム半水和物へと変換するのに十分な温度で加熱する。スラリーを圧力容器において温和に攪拌または混合により連続的に掻き混ぜて、ファイバー塊を壊し、全粒子を懸濁液中に保つのが望ましい。圧力容器において、半水和物は、溶液から沈殿して、針状アルファ半水和物結晶を形成する。スラリーをリアクタシステムから保持タンク23へ放出するとき、生成物スラリーへの圧力を緩める。「ホスト」ファイバー(「パルプ化ペーパー」)の残り、すなわち、ペーパーファイバーの第2の部分を、他の任意の成分と共に、石膏ファイバースラリーに、静的ミキサー24において、添加する。ホストファイバーは、典型的に、ペーパーファイバーである。添加された成分は、選択されたプロセス改質または特性向上添加剤、例えば、促進剤、抑制剤、重量減少フィラー、耐水性添加剤等を含むことができる。まだ熱いうちに、静的ミキサー24から得られる生成物スラリー46を、ヘッドボックス12を通して、例えば、製紙操作で用いるタイプの連続フェルト化コンベヤ42上に放出して、ろ過ケーキを形成し、結合していない水をできる限り除去する。90%もの水を、フェルト化脱水コンベヤ42によりろ過ケーキから除去することができる。水の除去、および真空箱14を通して、形成されたマットから空気を引いた結果、ろ過ケーキは、再水和が始まる温度まで冷やされる。しかしながら、許容される時間内に、再水和を行うのに十分低い温度とするには、さらに、追加の外部冷却を行う必要のある場合がある。] 図2
[0034] 広範囲の再水和を行う前に、ろ過ケーキは、所望の厚さおよび/または密度のボードへと圧密されるのが好ましい。ボードに、特別な表面テクスチャやラミネート表面仕上げを行う場合には、本方法のこの工程中または後に行うのが好ましい。ウェットプレッシング中、好ましくは、生成物の完全性を維持するために圧力を徐々に上げながら行って、追加の水、例えば、約50〜60%の残りの水を除去する。マットを、半固体ドライプレッシング工程において、さらにプレスする。追加の水除去の結果、ろ過ケーキは、急速な再水和の生じる温度までさらに冷却される。硫酸カルシウム半水和物が、石膏を水和して、針状硫酸カルシウム半水和物結晶を、セルロースファイバー中の原位置およびその周囲で石膏結晶に変換する。ある程度の再水和後、ボードは、キルンにおいて乾燥し、必要であれば、切断およびトリミングすることができる。好ましくは、乾燥温度は、表面にある石膏の再か焼を防ぐために十分に低く保たなければならない。]
[0035] セルロースファイバーは、石膏セルロースファイバースラリーに均一に分散される。セルロースファイバーは、ヘッドボックス前に静的ミキサーでスラリーに添加されるのが好ましいが、セルロースファイバーは、ファイバーがコンベヤ42に堆積する前に、生成物スラリー46に均一に分散されているのであれば、ヘッドボックスにおいて石膏ファイバースラリーに添加してよい。]
[0036] 本発明の方法によれば、か焼段階において石膏に添加されるセルロースファイバーの総量を、添加された合計セルロースファイバーの50%〜約70%、または、約3重量%〜約4.5重量%のセルロースファイバーまで減らすことができることが分かった。セルロースファイバーの残りは、石膏セルロースファイバーボードの特性を減じることなく、か焼後に添加される。本方法は、か焼に必要な総エネルギーを、少なくとも約35〜40%以上、およびか焼時間を約15〜18分減らし、意外にも、石膏ファイバーボードの特性を減じることなく、石膏ファイバーボードパネル(GFP)の硬化時間も短縮する。]
[0037] 本発明の方法によってまた、当業界において必要とされる石膏ファイバーボードの構造上の特性を失うことなく、か焼プロセスにおいて、か焼石膏の量を増やし、上等なペーパーまたはセルロースファイバーの量を減らすことができる。]
[0038] 前述したとおり、製品密度が高い、靭性性能が劣る、設置中の取扱性に乏しいというような欠陥のある現在入手可能な石膏ファイバーボードパネルに置き換えられる軽量な建築パネルが必要とされている。]
図面の簡単な説明

[0039] 本発明の石膏セルロースファイバーパネル10の実施形態の斜視図である。
本発明の石膏ファイバーボードパネルを製造する方法の実施形態の概略図である。]
[0040] A.パネル
本発明は、強化された、寸法安定性石膏セルロースファイバーボードパネルに関する。図1に、本発明のパネル10の斜視図を示す。] 図1
[0041] パネルは、石膏とセルロースファイバーの水性混合物の硬化により得られる連続相を有する。パネルは、無水ベースで、95〜70重量%の石膏、5〜10重量%のセルロースファイバーおよび約0〜3重量%の未水和の半水和物(「UHH」)を含んでいる。]
[0042] 本発明のパネルを作製するのに用いる主な出発材料は、無機バインダー、例えば、アルファ硫酸カルシウムアルファ半水和物、「ホスト粒子」からのセルロースファイバー、水および任意の添加剤、同じく、スラリーをマットへと形成する前に、か焼石膏スラリーに添加された添加セルロースファイバーである。]
[0043] 多くの用途、例えば、サイディングにおいて、パネルは垂直フレーミングに対して釘打ちまたはねじ止めされる。]
[0044] 本発明の他の特徴は、添加されたセルロースファイバーが、パネル全体に均一に分配されるように、得られるGFPパネルが構築されていることである。最終製品の重量に対するファイバーのパーセンテージは、ほぼ6%〜10%の範囲、例えば、6重量%となるのが好ましい。]
[0045] スラリーの混合物を堆積し、セルロースファイバーを添加する他の方法は、パネル製造業界においてよく知られているものである。例えば、連続シートでパネルを作製する本発明の連続プロセスを用いるのではなく、バッチプロセスを用いて、同様のやり方で、パネルを作製することもでき、材料を十分に硬化した後、所望のサイズのパネルへと切断することができる。]
[0046] B.処方
本発明のパネルを作製するのに用いる成分は、硫酸カルシウム二水和物、ペーパーまたはその他のセルロースファイバー、アルファ硫酸カルシウムアルファ半水和物および水である。少量のバインダー、促進剤および/または抑制剤を組成物に添加して、未加工(すなわち、未水和)材料の硬化特性を制御してもよい。典型的な添加剤としては、石膏等のアルファ硫酸カルシウム半水和物用の促進剤が挙げられるがこれに限られるものではない。]
[0047] 本発明のパネルは、セルロースファイバーの一部が均一に分配された連続相を含む。図2に示すとおり、連続相は、加圧されたリアクタからのか焼石膏とセルロースファイバーの水性混合物と、リアクタから出た後、スラリーヘッドボックスの直前に、石膏ファイバースラリーへ入れられた追加のセルロースファイバーの水性スラリーとの硬化から得られ、それは、約180°〜200°Fの温度で、大気圧で形成ベルトへ供給される。] 図2
[0048] 本発明の処方の実施形態の典型的な広い範囲の重量比率を以下の表1に示す。]
[0049] ]
[0050] 本発明の第1の実施形態において、組成物の乾燥成分は、石膏およびセルロースファイバーであり、組成物の湿潤成分は水である。乾燥成分および湿潤成分を混合して、本発明のパネルを製造する。リアクタを出た石膏セルロースファイバーに添加されたセルロースファイバーは、パネルの全厚全体にマトリックスに均一に分配される。乾燥成分の総重量のうち、本発明のパネルは、典型的に、約90〜95重量%の石膏および5〜10重量%のセルロースファイバーから形成される。セルロースファイバーの第1の部分は、か焼前に添加され、セルロースファイバーの第2の部分、典型的に、最終パネルの合計セルロースファイバーの少なくとも半分は、石膏セルローススラリーがリアクタから出た後に添加される。典型的な商業的実施形態において、パネルは、無水成分ベースで、約90〜92重量%の石膏および約8〜10重量%のセルロースファイバーから形成される。]
[0051] 1.硫酸カルシウム半水和物
本発明のパネルに用いる硫酸カルシウム半水和物は、石膏鉱、天然鉱物(硫酸カルシウム半水和物CaSO4・1/2H2O)またはその他の化学副生成物源から生成される。別記しない限り、「石膏」は、硫酸カルシウムの二水和物形態を指す。生石膏を熱処理して、硬化可能な硫酸カルシウム、より典型的には、半水和物CaSO4・1/2H2Oを形成する。通常の最終用途については、硬化可能な硫酸カルシウムは水と反応して、二水和物(石膏)を形成することにより固化する。半水和物は、2つの認識された形態があり、アルファ半水和物およびベータ半水和物と呼ばれる。これらは、物理特性およびコストに基づいて、様々な用途について選択される。両形態共、水と反応して、典型的に、大きなアスペクト比で、硫酸カルシウムの二水和物を形成する。アルファ半水和物は、ベータ半水和物により形成されるものよりも、高強度および密度のより密な微細構造を形成する。アルファ半水和物は、流動性スラリーを形成するのに水をあまり必要としないため、より密な外観および高い強度が得られるという事実による。このように、アルファ半水和物をベータ半水和物に換えて、強度および密度を増大したり、それらを組み合わせて特性を調整することができる。]
[0052] 本発明のパネルを作製するのに用いる無機バインダーの典型的な実施形態は、アルファ硫酸カルシウム半水和物と、ペーパー、例えば、クラフトペーパー、古紙等からのリグノセルロース系ファイバーを含有するブレンドを含む。]
[0053] 2.「ホスト粒子」
ホスト粒子という用語は、石膏以外の物質のファイバー、チップまたはフレークとしての巨大粒子を指す。概して、スラリー液体に不溶である粒子はまた、スラリー溶媒が浸透可能で、その中に硫酸カルシウム結晶が形成できるような、ピット、クラック、亀裂、中空コアか、その他表面欠陥のような使用可能な空隙も中に有していなければならない。かかる空隙が、粒子の大部分に存在していることも望ましい。空隙がより多くかつより良く分配されていればいるほど、石膏とホスト粒子間の物理的結合がより大きく、かつ、より寸法的に安定するからである。ホスト粒子の物質は、石膏に不足している望ましい特性、好ましくは、少なくとも高い引張および曲げ強度を有していなければならない。リグノセルロースファイバー、特に、ペーパーファイバーが、本発明の複合体材料および方法に特に好適なホスト粒子の例である。従って、ホスト粒子として好適な材料および/または粒子を限定しようとするものではないが、以降、便宜上、広い用語の代わりにペーパーファイバーを用いることが多い。]
[0054] 3.石膏/セルロースファイバー
本明細書で用いる石膏ファイバーボードまたは石膏ファイバーパネル(GFP)という用語は、ボードを製造するのに用いる石膏とセルロースファイバー、例えば、ペーパーファイバーを含むホスト粒子の混合物を指し、石膏の少なくとも一部は、ホスト粒子の空隙に位置する針状硫酸カルシウム二水和物結晶の形態にあり、二水和物結晶は、粒子の空隙内およびその周囲での針状硫酸カルシウム半水和物結晶の水和により原位置で形成される。石膏ファイバーボードは、米国特許第5,320,677号明細書の石膏ファイバーボードを製造する元の方法を修正した方法である図2に示す方法により製造される。] 図2
[0055] 典型的に、ペーパーファイバーは、約4重量%固体の均一なスラリーへとウェットパルプ化される大きなピースで入手可能である。]
[0056] B.本発明のパネルの製造
1.スラリー混合
本発明の複合体ウォールボードを製造する方法を図2に示す。] 図2
[0057] 本方法は、未か焼石膏およびホスト粒子(例えば、ペーパーファイバー)を水と混合して、希釈水性スラリーを形成することにより始まる。石膏の源は、原鉱または燃焼排ガス脱硫またはリン酸プロセスの副生成物からであってよい。石膏は、典型的に、82〜98%の純度のもので、例えば、92〜96%マイナス100メッシュ以下まで典型的に微粉砕されていなければならない。これより大きな粒子だと、変換時間が長くなる恐れがある。石膏は、乾燥粉末としてか、または水性スラリーを介して導入することができる。]
[0058] 本発明は、任意の好適な方法により、石膏とセルロースファイバースラリーを共か焼するものである。かかる複合体スラリーを作製する典型的な方法は、その全体が本明細書に参考文献として援用される米国特許第5,320,677号明細書に開示されている。本発明の方法は、ヘッドボックス12を通して、GFDファイバースラリーを用い、脱水コンベヤ30の形成スクリーン44で、石膏セルロースファイバー層に、添加セルロースファイバーを提供し、真空ステーション14を用いてそれを脱水して、多孔質形成ベルト(スクリーン)42に石膏ペーパーファイバースラリーの層を提供するものである。]
[0059] 図2を参照すると、基本的な方法は、粉砕した未か焼石膏を水と混合して、第1のスラリーを形成し、ペーパーを水でパルプ化して、均一なスラリーを形成し、2つのスラリーを、攪拌器(図示せず)を備えたミキサー11で混合して、希釈水性スラリーを形成することにより始まる。石膏の源は、典型的に、原鉱または燃焼排ガス脱硫の副生成物からのものであってよい。石膏は、比較的高純度、すなわち、好ましくは、少なくとも約92〜96%の純度のもので、例えば、92〜96%マイナス100メッシュ〜マイナス200メッシュ以下まで微粉砕されていなければならない。これより大きな粒子だと、変換時間が長くなる恐れがある。石膏は、水性スラリーとして、典型的に導入される。] 図2
[0060] ホスト粒子は、古紙、木材パルプ、木材フレークおよび/またはその他植物ファイバー源からのセルロースファイバーであるのが好ましい。ファイバーは、多孔質、中空、分割および/または粗面で、その物理的形状によって、溶解した硫酸カルシウムの浸透に適合する使用可能な隙間または空隙を提供するようなものであるのが好ましい。いずれにしても、源、例えば、木材パルプは、塊を壊すため、大きなサイズおよび小さなサイズの材料を分離するため、場合によっては、強度抑制材料および/または石膏のか焼に悪影響を及ぼし得る、ヘミセルロース、酢酸等の汚染物質を予め抽出するために前処理も必要とする。]
[0061] 典型的に40重量%が固体の粉砕石膏スラリーおよび典型的に約4%のコンシステンシーであるセルロースファイバー、例えば、ペーパーファイバースラリーを、十分な水と一緒に混合して、約15〜35重量%固体を典型的に含有する複合体スラリーを形成する。スラリー中の固体は、約0.5重量%〜5.0重量%のセルロースファイバーを含まなければならず、残りは主に石膏である。]
[0062] 2.半水和物への変換
スラリーを、連続攪拌または混合装置を備えた圧力容器またはオートクレーブ22に供給する。結晶改質剤、例えば、有機酸を、スラリーにこの点で添加し、必要であれば、結晶化を刺激または抑制するか、あるいはか焼温度を下げる。蒸気を反応容器22に注入して、容器の内部温度を約100℃(212°F)〜約177℃(350°F)、飽和蒸気を70psigまでとする。低い方の温度は、硫酸カルシウム脱水物が、適度な時間内に半水和状態までか焼される実際上ほぼ最低温度であり、高い方の温度は、硫酸カルシウム半水和物が、無水物へと変換される危険性を伴わずに、半水和物をか焼するほぼ最大温度である。反応容器温度は、好ましくは、およそ約140℃(285°F)〜152℃(305°F)である。]
[0063] スラリーをこれらの条件下で十分な時間にわたって、例えば、約18〜23分間、処理すると、十分な水が硫酸カルシウム二水和物分子から出て、それが半水和物分子へ変換される。粒子を懸濁液中に保持するために連続的攪拌により補助すると、溶液は、ホスト粒子の開放空隙を濡らして浸透していく。溶液の飽和に達すると、半水和物は核形成し、結晶を、空隙内、上、周囲およびホストファイバーの壁に沿って形成し始める。]
[0064] 本方法の第1の大きな改善は、用いるセルロースファイバーの半分のみをリアクタに添加して、石膏と共に共か焼すると、混合物をか焼するのに必要な蒸気の量を、セルロースファイバーの全てをリアクタ22の前に添加するときに用いる量よりも30〜40%以上減らせることである。]
[0065] オートクレーブ反応操作中、溶解した硫酸カルシウムは、セルロースファイバーの空隙に浸透した後、空隙内、上、周囲およびセルロースファイバーの表面に針状半水和物結晶として沈殿する。変換が完了したら、オートクレーブの圧力を低下させ、ワックスエマルジョンをはじめとする任意の所望の添加剤を、典型的に、ヘッドボックス12またはその前に導入することができ、スラリー46を脱水コンベヤ42の移動多孔質ベルト44上に放出する。追加のセルロースファイバーは、スラリーがリアクタ22および保持タンク23を出て、静的ミキサー24に導入された後、本方法のこの点で石膏セルローススラリーに典型的に添加される。次に、ウェットパルパーからの添加したセルロースファイバーの第2の部分を含む混合石膏セルローススラリーおよび任意の添加剤を、ヘッドボックス12に供給する。促進剤、抑制剤、防腐剤、難燃剤、耐水性コア添加剤および強度促進剤をはじめとする従来の添加剤を、ヘッドボックス12からの混合スラリー46をベルト44に堆積する前に、静的ミキサー24およびヘッドボックス12の前に、スラリーに添加してよい。]
[0066] 3.脱水
添加したセルロースファイバーおよびか焼石膏ファイバースラリー46は、ヘッドボックス12を通過し、スラリーを平坦な多孔質ベルト44の表面に分配して、ろ過ケーキを生成する。ろ過ケーキは、好ましくは、真空ステーション14からの真空を補助として、多孔質ベルト表面44を通過するスラリー中の水により脱水する。脱水によって、ろ過ケーキは冷却されるが、追加の外部冷却を脱水工程中に適用してもよい。生成物スラリーの温度が比較的高い間に、半水和物が実質的に石膏へ変換される前に、できる限り多くの水を、ウェットプレッシングにおいて、ローラを通したプレッシングにより除去する。90%程度のスラリー水が脱水装置において除去されると、約35重量%の水のろ過ケーキが残る。この段階で、ろ過ケーキは、再水和可能な硫酸カルシウム半水和物結晶と結合したセルロースファイバーからなるのが好ましく、個々の複合体ファイバーまたは小さな塊へと壊す、成形する、鋳造するまたは高密度まで圧縮することもできる。]
[0067] 4.プレッシングおよび再水和
脱水ろ過ケーキは、好ましくはまず、吸引ロール(図示せず)を用いてウェットプレスしてから、半固体プレッシング工程でプレスして、水含量をさらに減らし、半水和物の実質的な再水和が生じる前に、ろ過ケーキを所望の形状、厚さおよび/または密度へ圧縮する。脱水工程において水の大半の抽出が、ろ過ケーキ温度を下げるのに大きく寄与するが、所望の再水和温度に適度な時間内に達するには、追加の外部冷却が必要であろう。ろ過ケーキの温度は、好ましくは約49℃(120°F)未満まで下げて、比較的急速な再水和がなされるようにする。再水和によって、アルファ半水和物結晶が針状石膏結晶へと適所で再結晶化され、セルロースファイバーと物理的に結合する。]
[0068] スラリーに提供された促進剤、抑制剤、結晶改質剤またはその他添加剤に応じて、水和は僅か数分から1時間以上かかる。針状結晶がセルロースファイバーと結合し、かつろ過ケーキから大半のキャリア液体が除去されるため、硫酸カルシウムが移動せず、均一な複合体が残る。再水和により、半水和物結晶が再結晶化され、結晶が原位置、すなわち、セルロースファイバーの空隙内および周囲で二水和化され、複合体の均一性が保たれる。結晶成長によってまた、近接するファイバーが硫酸カルシウム結晶と接続して、セルロースファイバーの強化により強度が高められた全体の結晶塊が形成される。]
[0069] 水和が完了したら、複合体塊を即時に乾燥して、最大の物理特性を発現させるために、残りの遊離水を除去するのが望ましい。]
[0070] 5.乾燥
約30重量%の遊離水を典型的に含有するプレスしたボードは、遊離水含量を最終生成物中で約0.5%以下まで減らすために、比較的高温で即時に乾燥させる。明らかに、石膏をか焼する傾向のある乾燥条件は避けなければならない。生成物が93.3℃(200°F)以下、好ましくは約74℃(165°F)以下のコア温度を達成する条件下で乾燥を実施して、石膏の再か焼が生じないようにするのが望ましいことを見出した。硬化および乾燥したボードは、所望の仕様へと切断するかその他仕上げることができる。]
[0071] 最終的に硬化すると、独特な複合体材料は、2つの成分の両方が寄与する所望の特性を示す。セルロースファイバーは、石膏マトリックスの強度、特に、曲げ強度を増大し、石膏は、コーティングおよびバインダーとして作用して、セルロースファイバーを保護し、耐火性を付与し、水分による膨張を減らす。]
[0072] 本発明の修正した方法において、本方法のヘッドボックス12からのか焼石膏セルロースファイバースラリーを、コンベヤ42の連続多孔質ベルト44に堆積させる。セルロースファイバーおよびGFPスラリー46を、吸引ロールおよび多孔質ベルトからなるウェットプレッシングおよび半固体プレッシングを通過させて、真空ステーション14の使用により脱水して、23〜35%の水分含量(湿潤ベース)(無水ベースで30〜55%)まで真空と圧力を組み合わせた影響下で、マットをさらに脱水および圧密する。第1のウェットプレッシングと第2の半固体プレッシング間の距離を用いて、用いるベルト表面に応じて、平滑さを付与する。半固体プレッシングだと、所望の最終結果のボード厚さより僅かに少ない固定間隙のニップで硬化することにより、厚さ変動も減少する。]
[0073] GFP製造方法によって、約93.3℃(200°F)の温度、湿潤ベースで、約25%〜約35%の水分含量で、脱水後、パネルが形成される。以前の石膏−セルロースファイバープロセスで用いた高含量のファイバーに対し、本発明の方法においてか焼反応で反応した石膏セルロースファイバー混合物の石膏固体高含量によって、大幅に減少した量の蒸気、例えば、約30〜40%少ない蒸気でか焼プロセスを操作することができ、GFPパネルの最終形成において石膏まで再水和できない未反応半水和物が全て実質的に排除される。]
[0074] リアクタから出てくる石膏セルロースファイバー結晶は、僅かにやや細長く、セルロースファイバーの全てを石膏と共に共か焼したとき、先行技術の方法で作製した結晶よりも高いアスペクト比または表面積を有する。先行技術の方法において30%から平均約10%までの未水和の半水和物(「UHH」)の削減、少なくともいくつかの例においては、シロキサンを含有しない生成物、実質的0%のUHHの改質された結晶。本方法におけるUHHのこの減少は、得られる石膏ファイバーボードに必要な硬化時間が顕著に短縮したことよるものと考えられる。すなわち、か焼プロセス後、ファイバーの半分、例えば、4.0〜4.5%のファイバーを添加したとき、硬化時間は、プラント試運転中、現在の最良範囲の30〜40分から約16〜25分にまで短縮した。製造方法は、形成されるパネルの硬化時間により異なるため、この短縮は、製造ライン速度およびパネル製造レートにおいて非常に顕著な増大である。]
[0075] パネル特性
本発明のパネルは、典型的に、以下の追加の特性を有する。]
[0076] 本発明のパネルの密度は、全てのペーパーファイバーをか焼前に添加する従来作製された石膏セルロースファイバーボードと実質的に同じである。しかしながら、望ましい場合には、か焼後、より多くのファイバーを添加すると、本発明の石膏ファイバーボードの密度を下げることが可能である。]
[0077] 表2に、以下の実施例で目標とする混合組成物を記載する。この表に示した様々な成分の重量比は、ウェットスラリーについてである。]
[0078] ]
[0079] 「本発明のパネルの製造」という題名の項に記載したとおりにして、パネルを作製した。]
[0080] 実施例1
ペーパーセルロースファイバーの第1の部分を、リアクタ22に供給する前に石膏スラリーに加え、ペーパーセルロースファイバーの第2の部分をリアクタ22での反応後にスラリーに加える修正をして、商業用のGFP製造ラインで拡大試行を行った。ファイバーの第1の部分を、無水ベースで、4.5重量%の量で、リアクタ22に供給する前に混合した石膏の水性スラリーに、添加した。全体のスラリーコンシステンシーは25%であり、8.5重量%のファイバーを含む従来のスラリーの典型的なレベルである16%〜18%に比べ、大幅に増大した。「水の需要量」としても知られるコンシステンシーは、業界用語であり、ASTM手順C472またはその実質的に等価物に従って求められる。それは、スタッコ100グラム当たりのグラムでの水の量と定義される。石膏ボード製造のためのコンシステンシーは、100グラムのスタッコが、ボード形成ラインでなされる混合に等しい高剪断強度で7秒間にわたる実験室高速ブレンダーでの機械的混合により分散されるとき、標準粘度またはフローを与えるのに必要な水の容積と定義される。特定の数値は、特定のスタッコおよび製造レートに応じて、プロセス毎に可変である。]
[0081] スラリーのコンシステンシーが増大すると、生産工程の期間に通常必要とされる蒸気のレベルから、蒸気の需要量が約38〜40%減少した。リアクタ中のスラリーのファイバー含量の減少はまた、か焼を改善し、リアクタに8.5重量%のペーパーセルローススラリーが供給される従来の生産工程のものと比べて、薄く、高アスペクト比のアルファ結晶が形成された。石膏およびペーパーファイバースラリーのか焼に必要な時間は、15分〜約25分と短く、商業生産試行では、特定の生産ラインについて調整して、約18〜22分の範囲内のか焼反応時間となるようにした。これは、標準生産プロセスにおいて用いられるスラリー中の石膏および全ペーパーファイバーをか焼するのに必要な時間の大幅な減少である。]
[0082] 得られたか焼石膏/ファイバースラリーを、追加のパルプ化ファイバーのストリームと共に、フォードリニアスタイルのヘッドボックスへポンピングして、約10重量%の合計ファイバー含量を得た。複合体スラリーを、多孔質形成布に堆積させ、真空箱14を用いて多孔質形成布を通して脱水した後、圧力と組み合わせて追加の真空を加え、マットをさらに圧密した。再水和が始まり、再水和の一部がなされた後、追加のプレッシングを用いて、所望の厚さおよび表面外観のパネルを作製した。パネルの硬化時間は、約15分〜約25分の範囲で、28分以上を必要とする標準的な製造方法に比べ短かった。再水和完了後、パネルをキルンに入れて、パネルを乾燥し、自由水分が残っている場合には除去した。得られたパネルは、90〜92重量%の石膏を有し、実質的に未水和の半水和物は有していなかった。]
[0083] 実施例2
共焼成のためにリアクタに供給する前に混合された石膏の水性スラリーに添加された第1の部分に約3.25重量%のペーパーセルロースファイバーを使用し、約1時間の試運転により、実施例1の試行を繰り返した。スラリーの全体のコンシステンシーは25%〜28%であった。コンシステンシーの全体の増加の結果、従来の8〜10%セルロースファイバーのスラリーをリアクタ中で焼成するのに必要な蒸気の量に対して、約45%以上スラリーをか焼するのに必要な蒸気エネルギーの減少が達成された。か焼時間は約16〜22分に短縮した。]
[0084] 得られたか焼石膏/ファイバースラリーを、約10重量%の合計ファイバー含量を与えるために添加されたパルプ化ファイバーの第2の部分のストリームと共に、フォードリニアスタイルのヘッドボックスへポンピングした。複合体スラリーを、ヘッドボックスにより、多孔質形成布に堆積させ、真空箱14を用いて多孔質形成布を通して脱水した後、圧力と組み合わせて追加の真空を加え、マットをさらに圧密した。再水和が始まり、再水和の一部がなされた後、追加のプレッシングを用いて、所望の厚さおよび表面外観のパネルを作製した。再水和完了後、パネルをキルンに入れて、パネルを乾燥し、自由水分が残っている場合には除去した。得られたパネルは、90〜92重量%の石膏を有し、実質的に未水和の半水和物は有していなかった。]
[0085] 本発明の方法の共か焼反応において、石膏と反応したセルロースファイバーの第1の部分の量は、スラリーの約3.0〜4.5重量%まで減らすことができる。第1の部分は、一般に、合計の追加セルロースファイバーの50%まで、例えば、約3〜5重量%である。添加したセルロースファイバーの第1の部分が、か焼反応における合計の添加セルロースファイバーの約70%を超えても、か焼反応を完了するのに必要なエネルギーの減少、パネルの最終硬化時間の短縮および最終パネルにおける未水和の半水和物の量の減少において、さらに利点が増大するものではない。さらに、か焼反応におけるセルロースファイバーが約3重量%未満に減少すると、蒸気エネルギー要件または硬化時間が大幅に減少することなく、共か焼石膏の量および「ホスト」セルロース結晶構造が減少する。実際、か焼段階において、ファイバー含量が、合計添加ファイバーの50%〜70%のレベルまで減少すると、排水補助を用いないと、結晶構造により、脱水レートが低下することが分かった。このように、か焼段階において、石膏の第1の部分に添加されたセルロースファイバーの量をさらに減らすことが可能であるが、約50〜70%未満まで減らす利点は、プロセス改善の点で商業的に大きくなく、約50%超と推定される蒸気エネルギーの減少には、Baigによる米国特許第5,320,677号明細書に元々開示され、請求されているとおり、所望の硬化時間および共か焼生成物GFP製品の結晶特性を保持するために、追加の排水補助および結晶改質剤を用いる必要がある。]
実施例

[0086] 本発明の特定の実施形態を示し、説明してきたが、当業者であれば、当然のことながら、広い態様において、添付の請求項に規定されたとおり、本発明から逸脱することなく、変更および修正を行うことができる。]
权利要求:

請求項1
石膏ファイバーボードパネルを製造する方法であって、石膏およびセルロースファイバーの第1の部分を含む水性スラリーをリアクタに提供し、リアクタ中の前記石膏およびセルロースファイバーの第1の部分を反応させて、か焼結晶石膏およびセルロースファイバースラリーを生成する工程と、前記リアクタ工程の後、前記か焼石膏およびセルロースファイバースラリーを、セルロースファイバーの第2の部分で均一に強化して、第2のスラリーを形成する工程と、前記第2のスラリーを堆積して、マットを形成する工程と、前記マットを脱水する工程と、前記形成したマットを石膏セルロースファイバーマットへと再水和する工程と、前記形成したマットを最終石膏ファイバーボードパネルへと乾燥、切断および仕上げる工程とを含む方法。
請求項2
未水和の半水和物の量を、セルロースファイバー全てを石膏と共にか焼することにより作製される最終パネル中の未水和の半水和物のレベルから50%超減らす請求項1に記載の方法。
請求項3
前記最終パネルが、0.0〜3.0重量%の未水和の半水和物を含有している請求項1に記載の方法。
請求項4
前記リアクタに供給された前記石膏が、水性スラリーの形態にあり、前記リアクタに添加されたセルロースファイバーの第1の部分もまた水性スラリーの形態にあって、前記2つのスラリーが前記リアクタに入る前に一緒にブレンドされる請求項1に記載の方法。
請求項5
前記セルロースファイバーの第2の部分もまた、水性スラリーの形態の前記か焼石膏およびセルロースファイバースラリーに添加される請求項4に記載の方法。
請求項6
前記セルロースファイバーの第1の部分が、前記反応工程前、無水ベースで前記水性スラリーの約3.0重量%〜4.5重量%である請求項1に記載の方法。
請求項7
前記石膏ファイバーボードパネルの前記合計セルロースファイバー含量が、約8重量%〜10重量%である請求項1に記載の方法。
請求項8
前記リアクタ中の前記石膏およびセルロースファイバースラリーのコンシステンシーが、約25重量%〜30重量%である請求項1に記載の方法。
請求項9
前記スラリーがリアクタを出た後、前記合計セルロースファイバーの約50重量%〜70重量%が、前記第2の部分として、前記か焼石膏およびセルロースファイバースラリーに添加される請求項1に記載の方法。
請求項10
前記最終パネルの合計セルロースファイバーの半分以下を、前記第1の部分に、石膏と共に、か焼のために前記リアクタへ添加し、前記石膏およびファイバーをか焼するのに前記リアクタで用いる蒸気エネルギーの量が、合計セルロースファイバーの全てを、前記第1の部分に、前記リアクタへ添加するときよりも、約40%〜50%少ない請求項1に記載の方法。
請求項11
前記形成されたマットが、形成および再水和の約15〜25分以内に硬化する請求項1に記載の方法。
請求項12
前記石膏および前記セルロースファイバーの第1の部分のか焼時間が、約15〜25分である請求項1に記載の方法。
請求項13
前記石膏および前記セルロースファイバーの第1の部分をか焼するのに必要な時間が、約18〜22分である請求項11に記載の方法。
請求項14
前記石膏ファイバーボードパネルがより可撓性であり、前記セルロースファイバーの全てが、石膏と、前記リアクタ中で反応する同じ成分からできたパネルより密度が小さい請求項1に記載の方法。
請求項15
前記パネルの密度が、1立方フィート当たり約53〜70ポンドである請求項15に記載の方法。
請求項16
前記最終石膏セルロースファイバーボードが、無水ベースで、90〜94重量%の石膏、6〜10重量%のセルロースファイバーおよび約0.0〜3.0重量%の未水和の半水和物を含む請求項1に記載の方法。
請求項17
前記最終石膏セルロースファイバーボードの連続相が、前記か焼工程後、第2の部分で、前記か焼石膏セルロースファイバー結晶スラリーに添加されたセルロースファイバーにより均一に強化された共か焼石膏セルロースファイバー結晶スラリーを含む請求項1に記載の方法。
請求項18
前記最終石膏ファイバーボードが、無水ベースで、94〜92重量%の石膏、6〜8%のセルロースファイバーを含む請求項16に記載の方法。
請求項19
前記石膏ファイバーボードの厚さが、約6.3〜15.9mm(0.25〜0.625インチ)である請求項1に記載の方法。
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